【他社戦略】価値を転換した新規開拓(パナソニック)

こんばんは!

経営者の想いをカタチ(戦略)に、実行までサポートする、谷川会計総合事務所、所長の谷川俊太郎です。

  

今日はまた水曜日。本当に一週間が早い早い。今週も【他社戦略】を書いていきます。

 

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【記事要約(平成28年10月7日経MJ P9より】

 

 

パナソニックのシニア向け掃除機の販売が好調だ。重量を軽くし、お年寄りでも持ちやすく動かしやすいように設計したのが要因のひとつ。もうひとつは子供が離れて暮らす老親にプレゼントする親孝行需要を取り込んだ。「掃除をラクにする」をキーワードに消費者の心をつかんでいる。

 

同社は重さが約2キログラムの紙パック式掃除機「JPシリーズ」から、新型ハンドルを採用し持ちやすくした「MC-JP520G」(税別5万5000円前後)をこのほど発売した。2キログラムというのは2リットルペットボトル1本分。従来機が2倍のペットボトル2本分の重さだったのに対し、格段に扱いやすくなった。

 

本体とホースを両手に持ち上下移動が多く体力を使う会談の掃除や棚の上の方の掃除も楽にこなせるようにした。

 

こうした使い勝手の良さや掃除をラクにこなせる点を恒例の親を持つ子供にアピールするために、テレビCMの切り口も変えた。同社はこれまでシニア自信を購入者として想定し、シニアにメッセージを送るCMを放映してきたが、今年からは「息子の気づき」と題したCMを放送。母親の掃除の負担を減らすためにMC-JP520Gを贈るというストーリーに切り替え、離れて暮らす親への贈り物需要を掘り起こしている。

 

効果は先月の敬老の日に向けた商戦で如実に表れた。同社はシニア向け掃除機の新モデルをこれまで11月に発売してきたが、今年は9月19日の敬老の日に向けて発売を1カ月前倒しした。製品が店頭に並んだのは9月中旬。前倒しの発売が奏功して9月の出荷台数は全機種の発売当月(2015年11月)の出荷台数を

24%上回ったという。

 

(記事抜粋終わり)

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「掃除をラクにする」というキーワードは同じですが、子ども向けの親孝行需要とすることで、新しいお客様の掘り起こしになっているみたいですね!キーワードが同じですが、高齢者の方はそのとおり、「ラク」という価値を買っているのでしょうし、お子さんは「親が喜ぶ」という価値を買っているという買っている「価値」に違いが起きています。これも面白いですね。違う「価値」を提案できたからこそ、販売も伸びているのでしょうね。

 

では、今日注目したのは以下の点です。

 

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 【記事で特に注目した点】

 同じキーワードでも「価値」の違いを生み出し、新たなお客様獲得につなげていること

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 <注目した背景>

 

今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」からです。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明します。

 

*理論が分かりにくかったら、佐藤義典先生の理論のせいでなく、私の説明の力量不足です。

 その場合は、佐藤義典先生の著書を是非読んで下さい。

 

戦略BASiCSの解説

 

この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論です。ですが、この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深いです。ですので、ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけです。詳しく知りたい方は是非佐藤義典先生の本を読んでみて下さい。

 

「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多ありますが、まとめると5つのパターンに分類されます。そして、その5つを一貫性と具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論です。その5つは以下の通りです。

 

Battlefield (戦場・競合)

Asset (独自資源)

Strength (強み)

i

Customer (顧客)

Sellingmessage (メッセージ)

 

頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」です。それぞれを簡単に説明すると、

 

 :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし

 :競合が真似できない強みをささえる資源を構築し

 :資源を強み(自社から買ってもらえる理由)にし、

 :自社の強みを選んでくれるお客様に対し

Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう

 

とこのような考え方で構築される理論です。「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を 強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のことです。ですが、これを自社で考えると難しいです。

 

この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要です。例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたらどうです?『安さ』といっても、高品質なものです。ユニクロと比べて安いのでしょうか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないですよね。この一貫性を5つ全てにおいてとるというのは、非常に難しいです。

 

この一貫性ですが、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなります。

 

※3つの差別化軸

 

佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかないそうです。

 

①商品軸:(競合より)高品質・新技術

②密着軸:(競合より)個別ニーズに対応

③手軽軸:(競合より)早い、安い、便利

 

強みはこの3つのパターンしかありませんので、これを考えることで一貫性をとっていくことができます。

例えば、先ほどの縫製技術の話でしたら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じです(具体性はないですが…)。これは①商品軸の例ですね。

 

このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていけることで、BASiCSの一貫性がとれるようになります。非常に難しいですが、できれば、とても強い経営戦略となります。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけです!是非この「戦略BASiCS」考えてみたいですね!!

 

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戦略BASiCSで見ていきましょう!今回のケースで面白いことは、ターゲットとなるお客様が2つ。高齢者本人と、高齢の親を持つお子さん、となっているにも関わらず、キーワードは一つということです。高齢者向けにも、高齢の親を持つお子さん向けにも、キーワードは「掃除をラクにする」です。ただし、キーワードが同じでも、両者がこの掃除機を買う理由(=強み(S))は違います。高齢者本人は本当に「ラクにする」がこの掃除機を買う理由ですが、お子さんの場合は「親が喜んでくれる」が買う理由です。同じキーワードですが、ターゲットとするお客様が違えば強みも変わる、ということですね。他の掃除機よりも軽いという独自資源(A)に対して、「ラク」と「親孝行」という強み(S)がターゲットごとに出てくるということですね。まとめると、

 

【ターゲット:高齢者本人】

 :掃除機戦場

 :軽い

 :掃除がラク

 :掃除をする高齢の方

Sm :軽い掃除機で掃除がラクになりますよ!

 

【ターゲット:高齢の親を持つお子さん】

 :親孝行戦場

 :掃除機として軽い

 :掃除機が重く、掃除が大変と思っている高齢の親にプレゼントすることで、

  親の掃除がラクになり、喜んでもらえるという親孝行ができる

 :高齢の親を持つお子さん

Sm :軽い掃除機で掃除がラクになります。いつも大変そうに掃除されているお母さんに

   プレゼントすると喜んでもらえますよ!

 

という感じでしょう。キーワードは「掃除をラクにする」ですが、ターゲットが違えば戦場が違い、強みも違うということになります。これは非常に重要なことですよ!下手をすると「軽い掃除機」という機能だけの売り込みをしてしまいがちです。ですが人は機能でモノは買いません。その機能から得られる「価値」を買っています。同じモノですが、「価値」が違います。それを機能というモノの説明だけをして、高齢者の方にも、高齢の親を持つ方にも「軽いです」とだけ伝えても、「価値」は伝わりません。高齢者なら、「軽いので、掃除がラクになりますよ!」とラクになる「価値」を伝えなければいけませんし、高齢の親を持つ方には「軽い掃除機で掃除がラクになるので、これを親御さんにプレゼントすると喜ばれますよ!」と親孝行という「価値」を伝えなければいけません。このあたりができていないケースが多いですよね。軽いという機能だけ伝えがちになります。

 

その点、パナソニックさんはしっかりターゲットを分けて「価値」を伝えていますね。これまでの高齢者の方だけを対象としていた「掃除がラク」という「価値」だけではなく、「親孝行」という「価値」も伝えています。素晴らしいと思います!マネしたいですね。価値を転換して新規のお客様をGETしてますもんね。

 

皆さまの商品も機能を伝えがちではありませんか?「価値」を伝えるように考えられませんか?新しい「価値」を見いだせたら、新しいお客様がGETできるかもしれませんよ!

 

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