【他社戦略】ターゲットはニーズでくくる(小林製薬)

こんばんは!

経営者の想いをカタチ(戦略)に、実行までサポートする、谷川会計総合事務所、所長の谷川俊太郎です。

  

3月決算も終わり、事務所全体的には落ち着いてきました。やはり余裕がある方がいいですね。とはいえ、私だけは何かとバタバタしているのですが…余裕を持つことも心掛けていきたいと思います。

 

では、水曜日!【他社戦略】を書いていきます!

 

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【記事要約(平成28年6月3日経MJ P7より】

 

小林製薬の化粧品ブランド「ケシミン」がロングヒットを続けている。シミやそばかすの悩みに的を絞った手軽な化粧品としてクリームや化粧水のほか、美容液などをそろえ、40代以上の女性から支持されてきたが、このところ、男性の美容意識の高まりを受けてメンズ商品も投入。男性の認知度も高めて顧客層を広げようとしている。

 

ケシミン誕生のきっかけは「シミに効く商品はないのか」という1人の女性開発員の声だった。2000年ごろ、シミやそばかす対策はビタミン剤など飲み薬が一般的で、肌に直接働きかける商品は少なかった。

 

「市場にない新しい商品に挑戦した」とスキンケア事業部の吉田祐介氏は話す。ターゲットは肌の質が変化し始める40代以上の女性に設定した。

 

最近は男性の美容意識も高まっている。13年2月に20~50代の男性2万人に「肌の悩みは」を聞いたところ、「シミ」と答えた40~50代が10%以上いた。

 

男性の販売は好調だ。女性用「ケシミン」の16年3月期の売り上げは前の期比18%増の18億円。男性用は同26%増の4億円だった。

 

今後は男性の使いやすさも追及した商品を開発。販売を増やす考えだ。

 

 

(記事抜粋終わり)

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「ケシミン」聞いたことがあります。シミに直接効く化粧品なんですね。シミ、そばかす対策というと、たしかにビタミン剤などの飲み薬を思い浮かべます。でも、直接的に効いているかわからないよな~と思っていました。ですが、「ケシミン」なら直接効くんですね!これは支持されるでしょう。

 

そして「シミ」に悩んでいるのは、何も当初のターゲットとしていた40代以上の女性に限りません。当然、同じように「シミを何とかしたい」と思っている、そのようなニーズを持っている男性もいたわけdす。潜在的に。「シミに直接効く」という効果は、「シミに悩む人」が欲しがりますよね。そこに女性も男性もないわけです(人数に違いはあるでしょうが)。ここで、同じ「ニーズ」を持った人をターゲットにして、男性向け「ケシミン」を発売したというわけです。「シミに悩んでいる」なら、男性だろうと「ケシミン」を買うはずという、当たり前といえば当たり前の発想です。でも、なかなか「化粧品は女性のもの」というイメージが強いと、このような決断に踏み出せないのではないでしょうか。そこを踏み込んだことが素晴らしいですね。

 

では、今日注目したのは以下の点です。

 

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 【記事で特に注目した点】

 「ニーズ」でターゲットをくくって、ターゲットを広げていること

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 <注目した背景>

 

今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」からです。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明します。

 

*理論が分かりにくかったら、佐藤義典先生の理論のせいでなく、私の説明の力量不足です。

 その場合は、佐藤義典先生の著書を是非読んで下さい。

 

戦略BASiCSの解説

 

この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論です。ですが、この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深いです。ですので、ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけです。詳しく知りたい方は是非佐藤義典先生の本を読んでみて下さい。

 

「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多ありますが、まとめると5つのパターンに分類されます。そして、その5つを一貫性と具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論です。その5つは以下の通りです。

 

Battlefield (戦場・競合)

Asset (独自資源)

Strength (強み)

i

Customer (顧客)

Sellingmessage (メッセージ)

 

頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」です。それぞれを簡単に説明すると、

 

 :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし

 :競合が真似できない強みをささえる資源を構築し

 :資源を強み(自社から買ってもらえる理由)にし、

 :自社の強みを選んでくれるお客様に対し

Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう

 

とこのような考え方で構築される理論です。「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を 強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のことです。ですが、これを自社で考えると難しいです。

 

この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要です。例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたらどうです?『安さ』といっても、高品質なものです。ユニクロと比べて安いのでしょうか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないですよね。この一貫性を5つ全てにおいてとるというのは、非常に難しいです。

 

この一貫性ですが、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなります。

 

※3つの差別化軸

 

佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかないそうです。

 

①商品軸:(競合より)高品質・新技術

②密着軸:(競合より)個別ニーズに対応

③手軽軸:(競合より)早い、安い、便利

 

強みはこの3つのパターンしかありませんので、これを考えることで一貫性をとっていくことができます。

例えば、先ほどの縫製技術の話でしたら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じです(具体性はないですが…)。これは①商品軸の例ですね。

 

このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていけることで、BASiCSの一貫性がとれるようになります。非常に難しいですが、できれば、とても強い経営戦略となります。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけです!是非この「戦略BASiCS」考えてみたいですね!!

 

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では、戦略BASiCSで見ていきましょう。今回の小林製薬さんの商品、「ケシミン」は40代以上の女性をターゲットとして作られた商品です。その通り、40代以上の女性に支持されているようですね。「シミに悩む女性」ということで40代以上の方がターゲットとなったのでしょう。

 

ですが、この「シミに悩む」という人は何も女性だけではなく、男性にもいたわけですね。女性向けコーナーに並んでいる化粧品となると、当然女性が中心となり、たとえ男性がシミに悩んでいても買いにくいです。というか、そもそもそんなコーナーに足を運ぶことはないでしょうから、その商品の存在自体を知らないという可能性もあります。

 

そこで、同じように「シミの対策をしたい」というニーズを持つ男性にも買ってもらいやすいように、男性向け化粧品として「ケシミン」を作るということになったのでしょう。男性と女性で肌の違いはあるでしょうが、シミの対策をするという点では同じ。ですが女性向けコーナーばかりに商品が並んでいてはその商品がそのようなニーズを持つ男性の目にとまりません。ここで、メンズ化粧品を作ることで、男性向けに「シミ対策ができる商品がありますよ!」というメッセージ(Sm)になったのでしょう。ターゲットを広げたからこそ、メッセージも追加したということですね。戦略BASiCSのセオリー通りです。

 

そして、一番注目するところは、小林製薬さんが「男性も同じニーズを持っているのでは?」と考えたことです。もともと40代以上の女性向けに作った商品です。ですが、「シミの対策をしたい」というニーズを持っているのは男性も同じでは?と考えられたことが素晴らしいですね!

このように、「ニーズ」でお客様を考えていると、このお客様も対象になるのでは?と思い浮かびます。例えばミスタードーナツを例にとると、「勉強場所として使いたい」というニーズは、大学受験をする高校生も、公務員試験を受験しようとする大学生も、資格試験の勉強をするビジネスマンも、何か趣味を極めようとする高齢者の方も同じ「ニーズ」を持っています。よくターゲットを明確にしようという話で出てくるのは、20代女性、30代男性など、年齢や性別で区別するやり方をよく見かけますが、本来はそうではありません。20代女性に向けて作った商品でも50代男性もニーズを持っているものがあるかもしれません。先ほどのミスタードーナツの例ですと、老若男女誰でもターゲットになり得ますよね。共通項は「勉強場所をして使いたい」というニーズを持っていることです。

 

このように、お客様を「ニーズ」から考えていくと、結果お客様が増えます。販売する先を増やしたいと思ったら、このような「ニーズ」を持った人が他にいないかどうかを考えることが効果的です。というか、販売先を増やそうとしても「ニーズ」を考えていないと、結局アナタの会社は誰を向いているの?という状況になり、結局売り上げが伸びません。下手をするとこれまでのお客様からもそっぽを向かれる可能性もあります。ですので、「ニーズ」からお客様を考える、「ニーズ」でお客様をくくる(同じニーズを持っている人をカテゴライズする)ことを考えていきたいと思います。

 

皆さんの会社で販売している商品も、ターゲットはこの人だ!と思っていても、よくよく考えれば、よくよく「ニーズ」を考えていけば、「あの人もニーズがあるのでは?」「この人も潜在的にニーズを持っているのでは?」と考えつくかもしれません。そうなれば、販売先が増えますよね。新しいターゲット向けにメッセージ(Sm)を送ることを考えましょう。できれば小林製薬さんみたいに、ニーズがありそうな人にアンケートをとってみる方がより確実性が増します。ぜひ考えてみてください!

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